投資テーマ| 量子コンピューティング

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目次

量子コンピューティングとは

古典コンピュータとの違い

古典コンピュータ
普通のPCは「0」か「1」で情報を扱います。小さなスイッチ(トランジスタ)がオンかオフかで計算している、と考えるとわかりやすいです。

量子コンピュータ
「量子ビット(qubit)」を使います。量子ビットは「0」と「1」のどちらか一方ではなく、その両方が同時に混ざった状態(重ね合わせ)をとることができます。

量子の特徴

量子コンピュータが特別なのは、量子力学の性質を利用しているからです。代表的なのは次の2つです。

  1. 重ね合わせ (superposition)
    普通のビットが「0」か「1」しか表せないのに対し、量子ビットは「0でもあり1でもある」中間状態を持てます。
    → 多数の計算を同時並行で進められるイメージ。
  2. 量子もつれ (entanglement)
    複数の量子ビットが互いに強く関連し、一方の状態が決まるともう一方も即座に決まります。
    → 多数のビットが強調して動くので、効率的に情報処理ができます。

量子コンピュータの強み

  • 並列計算が可能:重ね合わせにより、膨大な組み合わせを一度に調べられる。
  • 特定の問題に強い:素因数分解(暗号解読)、最適化問題、分子シミュレーションなど。

ただし、なんでも速いわけではありません。普通の計算ではむしろ従来のPCの方が効率的です。

課題

古典コンピュータ:電球が「点いている/消えている」で計算。

量子コンピュータ:電球が「点いている」と「消えている」が重なった状態も扱える。

そのおかげで、一度に多くの可能性を探索できるが、制御はとても難しい。

投資家の注目

株式市場ではD-Waveなど量子関連銘柄の株価が短期的に数倍〜数十倍になる例もあり、期待と不安が交錯。

しかし現状はまだ研究開発費や運用コストがかさみ、業績は赤字。5年先までは赤字予想が大半だが、一部では黒字化を見込む企業も出始めている。

主な企業と地域

北米を中心に発展(D-Wave、Rigetti、IonQなど)。

日本は出遅れており、関連銘柄は評価されにくいが、Fixstarsなどは商用化に取り組み始めている。

日本株はTOPIXや日経平均に比べてアンダーパフォームしているが、将来的な成長余地が期待される。

上場している企業については ティッカーシンボル を付けて再度表形式にまとめました。


量子コンピューティング関連銘柄(上場企業)

企業名ティッカー国・地域主な特徴・取り組み
D-Wave Quantum Inc.QBTS (NYSE)カナダ量子アニーリング方式の先駆け。最適化問題に特化。
Rigetti Computing, Inc.RGTI (NASDAQ)米国量子ゲート方式を開発。クラウド型量子サービスを提供。
IonQ, Inc.IONQ (NYSE)米国イオントラップ方式を採用。拡張性に注目される。
Fixstars Corporation3687 (東証スタンダード)日本最適化問題に強み。物流・金融などで商用化事例あり。

⚠️ 注意:株価はボラティリティが非常に高く、研究開発費が先行しているため、短期的な業績は赤字基調。投資判断は自己責任でお願いします。

投資の視点

短期的にはボラティリティが高くリスクが大きい。

長期的には「量子コンピューティングは衰退せず、発展しかない技術」として注目に値する。

投資するなら 5年以上の長期目線 が前提。

政府支援も拡大しており、ハイテク分野の次の一手として注視すべきテーマ。

まとめ|量子コンピューティングの概要と投資のポイント

量子コンピューティングは、従来のコンピュータ(古典コンピュータ)とは根本的に異なる計算原理に基づいています。

市場の現状と将来性: 株式市場では、D-Waveなどの関連銘柄の株価が短期的に数倍から数十倍になる例もあり、高い期待が寄せられています。しかし、現状では多くの企業が研究開発費や運用コストが先行しており、業績は赤字基調です。5年先まで赤字を予想する企業が大半ですが、一部では黒字化を見込む企業も出始めています。長期的には「衰退せず、発展しかない技術」として注目されており、政府の支援も拡大しています。

投資の視点: この分野への投資は、5年以上の長期的な視点を持つことが前提となります。株価は非常にボラティリティが高いため、短期的なリスクは大きいと認識しておく必要があります。

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