2025年9月10日|経済の見方と今後のマーケット展望

2025年9月10日|経済の見方と今後のマーケット展望

本日の番組は、米雇用統計の年次改定による景気認識の見直しと、FOMC前の金融市場の見通し、アップル新製品発表と生成AI活用の行方、企業決算(ブロードコム)とM&A動向、旅行予約サイト「アゴダ」巡るトラブルなどを軸に構成されました。以下、経済・マーケットの見方と展望を中心に整理します。


目次

1. 現在の経済の見方と今後のマーケット展望

米国:雇用改定が示す減速と金融政策の織り込み

  • 米労働省が昨年4月〜今年3月の非農業部門雇用者数を-91万1千人下方修正。月平均で約7.5万人減。
  • 9月FOMCでは利下げ実施は確実視、幅に関心が移行。0.5%の可能性にも言及。
  • PPI(10日)・CPI(11日)が焦点。弱い数値ならドル安方向へ振れやすいとの見立て。
  • イベント前後のオーバーナイト・ボラティリティ上昇も意識。

欧州:ECBは様子見継続、ただし需要押し上げリスク

  • ECBは金利据え置きがコンセンサス。成長・物価見通しは微調整の見込み。
  • ドイツの大型財政出動がユーロ圏成長を押し上げるリスクあり。
  • 向こう1年で利下げリスク縮小 → 2026年末に利上げ転換のシナリオ。
  • ユーロドル年末1.20を見込む見解も。

日本:ガバナンス改革の“次の目標値”

  • PBRは0.6倍→1倍弱、ROEは6〜8%→8〜10%へ改善。
  • ただしROE10%以上は約4割で横ばい。海外マネー主導では「ROE10%以上」が基準に。
  • ROE10%台定着が株価上昇余地(+10%以上)を開くとの展望。

地政学:中東緊迫 → コモディティ高

  • カタール・ドーハでの爆発報道を受け、原油・金が上昇
  • リスク回避で金価格が最高値更新

2. 特集ニュースの要点

アップルの新製品発表:デザイン×AIで需要喚起を狙う

  • iPhone Air発表(厚さ5.6mmで史上最薄)。
  • Apple IntelligenceによりAirPodsで同時通訳機能。
  • AI機能による買い替え検討は7%にとどまるとの調査。
  • 価格:159,800円〜、12日予約開始・19日発売
  • 体験品質で競争するアップルの戦略に注目。

旅行予約サイト「アゴダ」巡るトラブル

  • 予約成立メールがあるのに宿泊不可、返金困難などの事例。
  • 未契約施設情報の掲載予約の転売疑惑も。
  • 観光庁が改善申し入れへ。ホテル側の現場負荷増大。

3. 主要経済指標と市場の受け止め

  • 米雇用統計の-91.1万人下方修正 → 利下げ期待↑、景気減速懸念↑。
  • 中東情勢で原油・金が上昇、金は史上最高値更新。

4. 企業の決算・企業動向

ブロードコム

  • AI半導体で100億ドル規模の新規受注
  • 新規顧客はOpenAIとの観測。NVIDIAの供給制約も追い風。
  • CEOの長期的コミットメントとM&A巧者としての評価も株価を下支え。

アップル

  • デザインと体験で独自路線を展開。
  • 価格据え置き=利益率圧迫懸念
  • AirPods Pro 3に心拍モニター+AI翻訳機能。

資源・半導体関連M&A

  • アングロ・アメリカンとテック・リソーシズ合併合意 → 銅供給効率化。
  • ASMLがMistral AIに13億ユーロ出資 → 欧州AIプレゼンス強化。

5. 為替・金利の見取り図

  • 最大イベントはPPI・CPI→FOMC
  • FRB利下げ開始 × ECB利下げ停止 → 基調的なドル安をサポート。
  • 日本株はROE10%超の拡大が中長期の株価リターン鍵。

6. 政治・その他の注目トピック

  • 自民党総裁選:9/22告示・10/4投開票。
  • フランス:首相交代。政策運営不確実性残存。
  • タイ:タクシン元首相の収監判断が政治リスクに。

7. 生成AI×人材・日本企業への示唆

  • 海外ではグローバル分散採用が進行。
  • 日本ではAIネイティブ人材確保AIリテラシー底上げが重要。
  • 製造業はハード+ソフト価値化で競争力回復余地。

まとめ:投資家への含意

  • 米雇用統計の大幅修正 → 「利下げ期待」と「実体不安」が同時点灯。
  • 日本株は「ROE10%以上」の定着が次の株高余地。
  • AI競争は「機能の数」より体験の質。アップル・ブロードコムの戦略に示唆。
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次