2025年11月04日|経済の見方と今後のマーケット展望

2025年11月04日|経済の見方と今後のマーケット展望

米景気指標とAI関連企業の動きが焦点に

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アメリカ経済の現状と今後の見通し

3日のニューヨーク株式市場は、最高値圏での利益確定売りが先行し、ダウ平均が224ドル安と反落しました。S&P500とナスダックはわずかに上昇し、相場全体は方向感に欠ける展開となりました。FRB(米連邦準備制度理事会)関係者の発言を受け、利下げ観測が後退しています。

10月のISM製造業景気指数は48.7と前月から低下し、景気拡張・縮小の分岐点「50」を8か月連続で下回りました。専門家によると、関税によるコスト上昇や需要の弱まりが企業活動を圧迫しており、一部では年度計画を下方修正する動きも見られます。一方で、仕入価格指数には上昇の歯止めがかかり、コスト上昇圧力のピークアウトが示唆されました。

ISMの支払い価格指数とCPI(消費者物価指数)には一定の相関があり、今後は企業の価格転嫁が進むことでインフレ圧力が再び強まる可能性が指摘されています。専門家は「インフレのピークは2026年1〜3月期になる」と予測しています。

AI関連の大型契約が市場を刺激

オープンAIはAmazon.comと約6兆円規模のクラウド契約を締結。今後7年間でAWSを利用しAIモデルの開発を進めます。7月にはオラクルとも大型契約を結んでおり、提携関係にあるマイクロソフトへの依存を低減する狙いです。この発表を受け、Amazon株は一時6%上昇し、AI関連株全体を押し上げました。

また、マイクロソフトは米政府からNVIDIA製AI半導体のUAE向け輸出を正式に許可されたと発表。UAEでは今後4年間で約1兆2千億円規模のデータセンター投資を行う計画です。米国のAI関連技術の国際展開が進む中、AIインフラ需要の拡大がグローバルな成長テーマとして注目されています。

為替と金利動向

ドル円相場は154円台前半で推移。ISMの弱い結果を受け一時ドル売りが進みましたが、総じて方向感は限定的です。市場では「日銀の次回利上げが円高・円安の分水嶺になる」との見方が広がっています。

JPモルガンの田瀬淳也氏は、「次回の利上げは1月、もしくは円安が進めば12月前倒しの可能性もある」と分析。ターミナルレート(利上げの到達点)は従来の1%ではなく、1.5%に達する可能性も指摘しました。155円を超える円安局面では政府・日銀による介入の可能性が高く、為替の上値は限定的と見られています。

株式市場の展望とAIバブル論

米国株の上昇を受け、東京市場も半導体・輸出関連株を中心に堅調な展開が予想されています。T&Dアセットマネジメントの並岡氏は、2026年に向けた「サプライズシナリオ」として「AI需要の鈍化」を挙げつつも、現段階では「AIブームはバブルには至っていない」と分析しました。

野村証券の村山誠氏も「NASDAQのPER(株価収益率)は約30倍で、ITバブル期の68倍に比べると健全」と指摘。利益を伴う大手IT企業が相場を支えており、AI関連投資は当面堅調が続くと見ています。ただし、量子コンピューティングなど一部では過熱感もあり、銘柄選択には注意が必要です。

注目銘柄として、データセンター向け電源機器を手掛けるバーティブホールディングスや、AIを活用した在庫管理を進めるコストコなどが挙げられています。

米中関係の動向

今村隆氏(丸紅経済研究所)は、先日の米中首脳会談について「短期的には貿易摩擦の休戦」と評価。トランプ政権は中国との完全な経済デカップリングが非現実的であると認識し、通商関係の維持・再構築を図る方針と分析しました。

ただし、米中間で貿易赤字が改善しない場合、関税再引き上げのリスクも残ります。さらに、双方の実務レベルでの協議不足が「誤解や過剰反応」を招く懸念も指摘され、今後の外交の行方が市場に影響を与える可能性があります。

企業・国際ニュース

  • キンバリー・クラークが医薬品大手ケンビューを約7兆5千億円で買収へ。
  • 中国外務省は日本など45カ国に対するビザ免除措置を2026年末まで延長。投資と観光の回復を狙う。
  • パランティア・テクノロジーズの7〜9月期決算は売上63%増・純利益3倍。AI需要が収益を牽引。

マカオで世界華商大会が開催

マカオでは世界各地の華商(海外中国系実業家)約4,000人が集結し、「ポスト・カジノ経済」としての新産業育成を議論。中国政府は外資流出が進む中、華商ネットワークを通じた投資回帰を呼びかけました。
今後は漢方薬や健康産業を軸に「大健康時代」を推進する方針で、日本企業との協業も拡大しています。

FRBクック理事の発言と金融政策の焦点

FRBのクック理事はワシントンで講演し、「12月会合での判断は今後のデータ次第」と述べ、関税転嫁による物価上昇が来年も続くとの見通しを示しました。
トランプ大統領による解任要求に対してはコメントを避けたものの、FRBの独立姿勢を強調。専門家は「政治的圧力の中でもFRBが政策判断を維持していることを示す発言」と評価しています。


世界の金融政策とAI産業の動向、米中関係の行方を中心に整理しました。
全体として、**「AI主導のブームとインフレ再燃リスク」**が今後の市場を左右する主要テーマとなっています。

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