目次
1.証券外務員とは
証券外務員とは、証券会社や銀行などの金融機関において、有価証券や金融商品の売買・勧誘・説明などを行う担当者のことです。
日本証券業協会(JSDA)の協会員に所属し、外務員登録を受けることで、顧客対応業務に従事できるようになります。合格だけではなく、登録を経て初めて業務が可能になる点に注意が必要です。
2.一種外務員資格について
外務員資格には「二種」と「一種」があります。
- 二種外務員:株式や投資信託など、比較的リスクの低い商品を扱える。
- 一種外務員:二種の業務に加えて、**信用取引やデリバティブ取引(先物・オプションなど)**といったリスクの高い取引も扱える。
つまり、一種外務員資格を取得することで、ほぼすべての有価証券・金融商品を顧客に提案・取引できるようになります。より高度な専門知識と実務理解が求められる資格です。
証券外務員一種試験 概要一覧表
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験資格 | 特に制限なし(学歴・年齢・職業を問わず受験可能。ただし合格後に「外務員登録」を行うには所属先金融機関が必要) |
| 試験実施日 | 年間を通じて随時実施(平日・土日含む)。希望日に受験申込可能(CBT方式) |
| 試験会場 | 全国の指定CBT試験会場(プロメトリック社テストセンターなど) |
| 試験時間 | 160分(2時間40分) |
| 試験の方法 | CBT方式(パソコンでの出題・解答)。問題形式は○×方式と五肢選択方式 |
| 合否判定 | 440点満点中 308点(70%)以上で合格 |
| 合格発表 | 試験終了後すぐに画面に表示(合格証は後日送付) |
| 申し込み先 | 日本証券業協会を通じた プロメトリック社(CBT試験運営) のWebサイトから申込 |
3.出題形式
証券外務員一種試験は **CBT方式(コンピュータ試験)**で行われます。
- 試験時間:160分(2時間40分)
- 問題数:100問
- 形式:
- ○×方式(70問)
- 五肢選択方式(30問、計算・語句選択を含む)
問題はPC画面に表示され、その場で解答を入力する形です。
4.出題科目
一種外務員試験で問われる科目は以下の通りです。
法令・諸規則系
- 金融商品取引法および関係法令
- 金融商品の勧誘・販売に関する法律
- 日本証券業協会の定款・諸規則
- 取引所定款・諸規則
商品業務系
- 株式業務(現物・信用取引)
- 債券業務
- 投資信託・投資法人に関する業務
- 付随業務
- デリバティブ取引(先物・オプション・店頭デリバティブなど)
関連科目
- 証券市場の基礎知識
- 会社法概論
- 経済・金融・財政の常識
- 財務諸表と企業分析
- 証券税制
- セールス業務
5.配点・出題形式(公式+推定)
公式情報
- 満点:440点
- 合格基準:308点以上(70%)
- 配点:
- ○×方式:1問2点 ×70問=140点
- 五肢選択方式:1問10点 ×30問=300点
傾向(推定)
- 五肢選択方式の配点が全体の約7割を占め、計算問題やデリバティブ関連の比重が大きい。
- 得点のカギは「五肢選択問題を確実に取れるか」にある。
- 出題の中心は「協会規則・株式・債券・デリバティブ取引」で、これらが合否を分ける重要分野。
まとめ
証券外務員一種資格は、金融業界で幅広い業務を行うために不可欠な資格です。二種よりも高度な知識が求められ、特に信用取引・デリバティブ取引の理解が合格の鍵になります。
効率的な学習法のポイントは以下の3点です。
- 五肢選択の計算問題を重点的に対策する。
- 法令・協会規則は条文暗記ではなく「実務にどう関係するか」で整理する。
- 財務諸表や税制の出題は頻出テーマを中心に繰り返し学習する。
